小規模個人再生

多額の借金があり返済ができません。でも破産して自宅を失いたくありません。破産以外の方法はありますか

小規模個人再生という方法があります。

小規模個人再生(住宅資金特別条項付)とは、住宅ローン以外の借金を5分の1※まで減らし、これを原則3年で返済していく手続きです。

※ただし最低弁済額は100万円になります。

※住宅ローン以外の借金が3000万円を超える場合は10分の1

 

  住宅ローン残高2400万円(月額返済額10万円)
その他一般債務残高800万円
一般債務の5分の1 800万円÷5=160万円
3年分割の月額 160÷36か月(3年)=約45,000円

小規模個人再生が受けられる目安はどのように考えればよいでしょうか。

小規模個人再生が受けられる方は、継続的な収入がある方で住宅ローン以外の借金総額が5000万円以下であることが必要です。

では、どのくらいの収入が必要かというと、要は、5分の1まで減額した借金と住宅ローンを支払っていけるだけの収入がある方ということになります。上記の例では、住宅ローン10万円+返済額4万5000円+生活費を支払うことができるだけの収入ということになります。

借金総額が多く、5分の1まで減額した額と住宅ローンを3年では支払えませんが、どうしたらよいでしょうか

個人再生で注意しなければならないのは、収入と再生後の弁済額、住宅ローンのバランスです。

でも残念ながら依頼人に十分な収入がなく、再生の履行が困難と思われる場合もあります。そういった場合、これまで次のような方法も考えられます。

①家計全体の収入を上げる

個人再生における収入とは、家計全体の収入ですので、家計全体の収入を上げることを考えます。例えば配偶者にパートに出てもらい弁済が可能なだけの収入を確保するという方法があります。

②再生後の返済期間を5年に延ばす。

特別の事情があれば、返済期間を3年から5年に延ばすことも可能です。上記の例では、2万7000円程度まで減額できることになります。

ローンを完済した自動車、解約返戻金がある保険など相応の財産がありますが、個人再生をするとこれらの財産はどうなりますか。

個人再生では、簡単にいうと、弁済する債務総額が債務者の財産以上でなければならない(※)というルールがあります(これを「清算価値保障原則」といいます。)。したがって、上記の例で再生申立人の財産総額が160万円を超えると弁済額は、その金額となり、月々の総額が上がることになります。逆に財産総額が160万円以内だと弁済額は変わりません。

※計画弁済額が破産した場合の配当額以上でなければならないということです。